主な症状と疾患
尿の勢いが悪い
高齢の男性であればまず前立腺肥大症を疑います。膀胱炎や前立腺炎などの炎症性疾患でも強い尿意の割りに排尿量が少なく、尿の勢いが悪いと感じることがあります。
尿の回数が多い
1日排尿回数が10回を超える場合を頻尿といい、特に夜間に多い場合を夜間頻尿といいます。前立腺肥大症の初期や膀胱炎などの炎症性疾患、過活動膀胱などを疑います。
尿が漏れる
急に強い尿意を感じ、トイレまで間に合わずにもらしてしまう切迫性の失禁と咳やくしゃみなど、おなかに力が入ったときにもれてしまう腹圧性の失禁があります。まれではありますが前立腺肥大症の末期や神経因性膀胱など尿が膀胱にパンパンに溜まっていて自然にもれ出てきてしまうこともあります。これは尿毒症の危険があり早期の対応が必要です。
尿を出すときに痛む
男性では尿道から膿が出れば淋病やクラミジアなどの尿道炎を疑います。女性の場合では陰部の粘膜炎、排尿の終わりが特に痛むようであれば膀胱炎を疑います。
赤い精液が出た
若い男性であれば前立腺炎、50歳を超えていれば前立腺癌の可能性も出てきます。
おちんちんが腫れた
小さいお子さんであれば亀頭とそれを包む包皮の間に細菌が感染した亀頭包皮炎、成人男性であればカンジタというカビの感染や細菌感染、ヘルペス感染などを疑います。
精巣が大きくなった
痛みを伴えば精巣上体炎、まれにおたふく風邪のウィルスで起こる精巣炎があります。
痛みがなければ精巣の周りに水が溜まる陰嚢水瘤や精巣癌を疑います。
精巣癌でも腫瘍内部に出血を起こせば痛むこともあり、かなり進行の早い癌ですので自己判断せず、早めに専門医の診断を受けてください。
検診で血尿があるといわれた
当院を受診された患者さんのデータでは病的でない生理的血尿と思われる方が約3割で残りの7割の方に何かしらの異常が見つかっています。砂状の小さな結石を含めると尿路結石が約30%、前立腺肥大症や慢性前立腺炎等の前立腺疾患が約10%、慢性膀胱炎が約10%、IgA腎症などの慢性腎炎が約5%、血管障害が約3%、尿路悪性腫瘍は約1-2%に見つかっております。